この記事を読んでいてちょっと思い出した。新宿、といえばかつては詐欺のメッカともいえる感じだった。
昨今は落ち着いているが、20年くらい前は南口といえばアンケート屋がたくさんいた。アンケートといっても、西口界隈のちゃんとしたマーケティングで食べ物をくれる人ではなく、アンケートの名を騙って事務所に連れて行き、なかなか帰れなくして、最終的にはどこでも使えないような映画割引券、会員券などを高額で買わせる、というもの。
また高校出た人なら誰もが経験ありそうな「当選しました」というハガキ。高校の卒業名簿を見て送ってくる。「○月○日までに新宿西口の高層ビルに来い」と書いてある。あれも詐欺業者。これも行ったらなかなか帰って来れない筈だ。
最近は、これに近いのは「エウリアン」といわれる高額なエッチング版画の売買なのだろう。
かつてやっていた内職の雑誌ではこれら詐欺業界の背後というのをいろいろと考えさせられた。詐欺業界が元気なほうが内職市場自体が元気なのだ。ここ数年各方面のPRと警察の摘発が続き、詐欺業者が影を潜めた途端、表側の市場は小さくなっていって、本も売れなくなった。詐欺がいるくらいのほうが、市場自体に活気が維持される……これは不思議だが事実だ。失礼な言い方だが、詐欺屋が出て来るような、カモの居るところに市場あり。誰も騙されないようなカチカチな市場では、実はまともな商売しても儲からない。
100万円くらいのPCとか、CD-ROM1枚を30万円とかで売りつけるという教材商法業者であまりにもこれはというところがあったので、登記を取って役員等でgoogleったら、関西方面のまともな伝統工芸を営む会社の関連会社だったということがある。もしかしたら某団体傘下なのかもしれないが、まっとうな生業を営みそれでビルまで持ちながら、2つの顔を持ち、グループ内別会社での悪徳商売には恐れ入る。
ところで、最近の野球報道でライブドアが週刊実話に「エロゲーを作ってた会社、エロサイトを持つ会社」とか書かれて虐げられているが、ライブドアは社名を出しており、隠さず堂々としている。表向きは伝統工芸会社で実は教材詐欺を働く会社とどっちがいいかといったらライブドアのほうがまったくまともだ。しかし社会性とか上場の状況を考えたら、別会社にしてもよかったのに、ほりえもんの世渡り下手、脇の甘さがよく出ている。(それでもエロ業界では、これから財界に足をつっこむエロに理解のある人としての堀江支持者が激増中)。
会社の顔はひとつではない。新宿に溢れる詐欺会社も、きっと裏ではどこか見た目普通の会社の関連企業なのだ。決して「裏社会」だけではなく……。
新宿と詐欺ビジネス
この記事は20年以上前の記事です。情報が古い場合がありますのでお気を付け下さい。
コメント
初めまして、最近になって毎日読むようになりました。
会社が歌舞伎町に近いので、色々と参考にさせてもらっています。
私も大学生の頃に新宿駅南口でアンケート調査を受けました、すんごく懐かしいです。
また、怪しいビデオ教材やに連れ込まれ、80万位する契約もしたことがあります(人生の汚点・・・)。
これからも楽しみにしています。
気が向いたらトラックバックさせていただきますね。
コメントありがとうございます。
あの頃の無茶苦茶な詐欺行為の蔓延を考えると
今オレオレ詐欺がものすごいことになってるのも納得行きます。
20年経っても騙し商売しか出来ない人は騙し続けてるって訳です。
高層ビルなどに入っているということが信頼に見えるようなことを
上手く利用していたのでしょうが、高層ビル以外でも
西新宿エリアに集中してるのが不思議です。