この記事で産経がいいたいことは
・摘発後もすぐ再開、熱烈ファンがごったがえす
・スカイエンジェルなどが売れ筋
・3割ほど暴力団にもってかれる店も
・最大の脅威は警察ではなくネット、客がおじいちゃんに、高齢化
・利用者はワンクリック詐欺などがないし種類が多いことを利点に。家人にばれないよう漫画喫茶で見るなどする
・HDDに動画をつめこんで1台5万と販売する例もある
ということですが、アダルトビデオの世界を昔から見ている人ならいろいろとこれは違うって思うことあるだろー。
表ビデオと裏ビデオの世界、それは表裏一体のようで実は激変している関係なのです。かつては「カバン屋さん」がどこからともなく運んでくる素人ビデオ商品にプロユース商品が混じりこみ、いつのまにか国内では債権流れと称した裏ビデオへのプロのアダルトビデオ商品が配刊されるようになりました。ですが、ネットで米国側から現地で流せば完全遵法ではないにせよ事実上取り締まりが不可であるようになってからは、そういった「カバン屋さん」を介さずメーカーが現地法人を介し販売するようになりました(もちろん無断で配信されているところも一部ありますが)。
「北米向け商品」として日本のアダルトビデオが正規流通し、それが逆輸入される前はいわゆる裏ビデオは素人ものから始まり、メーカーものに変わってからの体裁は「債権回収、もしくは監督かスタッフが持ち出した」とされ、表向きには著作権を主張できないものとされていた訳です。一部スタッフも、女優も泣き寝入りでした。それがカバン屋(といわれる素性も見せずに売り歩く人たち)の手によって配刊されて、販売されていたのが裏V店。
こういう事例は今のアニメ業界の末端とかにもあって、メーカーが倒産して版権が微妙な筋にわたると元の権利者には無断で配信・無断リリースとか、そういった問題はいくつかおきています(一般作品でも昔の12ch系のアニメなどでたまに明確なバッタアダルトビデオメーカー系からリリースされて末端バッタ店で見る作品がありますが、あれはそーいう事情)。
話が逸れました。そこから、事情は大きく変わっていきます。表のビデオ撮影業者に数年ほど前いくつか「北米向け法人」が作られました。理由は日本の市場が死に掛けていたから。かつてはビデ倫メジャー商品とインディーズがうまくすみけていたのですが、いまやどっちもあれな状態で、ビデ倫が摘発されるなど本筋から外れる戦いになってきています。
北米向け別法人のリリースする「北米向け商品」は、US内の日本人観光地でも一部販売される他、北米販売サイト経由で逆輸入されるので、メーカーサイドもファンなどからいくらか回収するチャンスがあるという形で、彼らがいままで裏流れすることで搾取されていた集団からの脱却ができ、得たのは(裏モノになることで国内では実質的に消滅していた)著作権と販売網、ということになります。またこれによって、撮りおろしをすぐに北米に流したいメーカー側は、昔の倒産流れ商品のように無断で裏Vが流れるとかではなく撮影段階から女優に許諾を得るようになりました。また、北米からモデル依頼が、英語で普通にモデルプロダクション宛にかかってくるようになりました。
それでも日本でのビデオ村などの店が違法複製販売してるのは止まらないのですが、上流は少なくともメーカー側が押さえられるようになったのです。正規品としての米国での著作権があるため、代理人の著作権Gメン的な人物を国内でも回らせているところもあるようです。このシリーズを売るな、と店を脅すだけですが。一部の雑誌では著作権を盾に記事削除もあったようです。
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話は戻ってビデオ村の件ですが、今回の摘発記事では四十数店舗ということですが、警察ははっきりとほぼ全店舗を把握している訳で、一般に思われるビデオ村は確かにやられていましたが、周辺部では「ぜんぜん警察こなかったよ」という店舗もあったようです。
これはいわゆる「ビデオ村」エリアのみに的を絞っていたということなのでしょう。実際には「第二ビデオ村」ともいえる区画もあり、他にもいくつかの場所には店舗が何種類かあるようです。
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売り上げに関して産経は「3割が暴力団にわたる店も」といっていますが、正直僕の知っている数店舗はほとんどあちら側の「直営」です。あんなボロ店舗を借りてお隣同士共存共栄するなんていうのは堅気の業者では不可能(マンション店舗等は別かもしれませんが)。ただ、直営に見えすぎると怖くなるので雇われ店員とかがいるわけですが。
直営だから、実質仕入れと人件費複製費店舗運営費以外はほとんどが裏社会に落ちていると思いますよ。3割は少なすぎるし、リアルショップな裏ビジネスを堅気がやってるということが無いと思う。
むしろ、米国法人という壁がある関係で正規にネットで裏やってる業者のほうが堅気だったりする。インフラ面やシステムでは大手企業の手を借りないとできないですからね。
かつて裏V店のもう1つの主力商品裏本は配刊されなくなりました、という記事が出て終刊した(といわれた)ことがありましたが、その頃実はもともと著作権の曖昧で連絡先すらない裏本は堅気なITゴロ(表向きはベンチャーなところも多かった)の人がコピーしまくって無料サイトにしており客を奪っていました(やる夫で学ぶ…の関連スレッドにもそんな表記あり)。V店に「配刊されなくなった」宣言が通るということは実質本は最終期には1つのルートしかなかったということです。裏本はオタクとITがつぶした、といってもいい。事実、裏本サイトの製作グループの1つが知ってる人の会社だったので僕も後で驚いたことがあります。
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表ビデオも元締めであるアダルトビデオ業界が、もともとグレーであありつつもある程度のルールを数十年かけて作ってきたから続いているということでなんとかなっていますが、はっきりいって表Vの在庫でさえ、買い切りだと大型店以外は「回転しなくて大変なことになっている」昨今、裏Vの販売店には近い将来客が、裏本のように「買いに来ない」閑古鳥になることが予感されます。
そして、表の北米メーカー側が今の裏店舗みたいなのよりも、一部の「高画質無料サイト」に対して対策するようになるとすれば、ブルーレイ以降の品を増やして、地上波デジタル並みの強度のコピーガードをかける必要がある。そうするとしばらくは複製があまり出回らなくなる可能性もある訳ですよね、そうすると正規を輸入するしかないわけでコピーはなくなる。
今はインターネット上での無断アップロード品には低画質が多いのと、バナー→DMM(表V)やXVN(裏だが大手)等のサイトなどに流れて販促になる面もあるから(もともとのコピーガードも弱い程度で)黙認している訳ですが、コピー無料サイトのHD高品質画質が普通になったら、彼らもコピー抑制を強く主張せざるを得ない。
その頃には、きっとコピー商品を専門にしている今のビデオ街も終わってしまうのでしょうかね。
(追記)関係者に又聞きしたところ、最近の北米版に対応するためアメリカに派遣していたとあるモデルプロも逮捕されたりしているそうです。日本→建前上本番やってない(ことになっている) アメリカ→無修正前提 という理由で、日本から派遣なので事務所ごと売春防止法だそうで。それはいくらなんでも建前すぎるというか、あほらしい。
このままだと、いつかモデル・モデルプロも含めてアメリカに行っちゃうような…。というか、それがお上の目的ならたいしたもんですが。
コメント
今のアダルトVには、問題がふたつあって、
ひとつは、無修正の問題
ふたつめは、違法コピーの問題
私は、日本の警察はこの「無修正」を「取り締まる」という形をもって、天下り等、甘い汁を吸っているとおもいます。
なので、無修正を解禁とするのは恐らくかなり困難ではないかと思います。
このひとつめの無修正の網をかいくぐるために、ネット海外法人が出てきました。
一口に、ネット海外法人とはいいますが、海外登記、海外口座開設、海外税務申告など等、頭の悪いチンピラヤクザにはできません。
(ちなみに、日本のケーサツは、この頭の悪いチンピラヤクザを取り締まって、何かやった気になってるわけです)
ということは、おっしゃるとおり、ネット海外法人化することで、堅気の大企業が逆にアダルト市場へ参入してきています。
商社だろうがなんだろうが、企業は合法で儲かることは何でもやりますから。
結果として何が起きているかというと、バカヤクザの副業が、全部、大企業に吸い上げられて、しかも税金は海外に支払われる、という日本のアダルト産業がさらに空洞化するという、おぞましい状況が出現しつつあるわけですね。
何が言いたかったかというと、
ネットのせいで市場が国際化したために、コンテンツ作成も国際化しています。
無修正を解禁しないことによって、
コンテンツの作成から流通というアダルト産業のルーチンの中で、日本の国自体が、
「下流」に、つまりコンテンツ作成にコキ使われて利益は全部海外がもっていく、という仕組みが既に出来上がりつつありますよ、、ということです、、