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Gの食える人

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この記事は20年以上前の記事です。情報が古い場合がありますのでお気を付け下さい。

「人の気を引きたくて、ゴキブリ(以下G)喰っちゃうんですよ」
 早朝のファミレスにやってきた、20歳そこそこの学生はいきなりそう言った。
 よくB級実話誌に「G食った」人の話が出ているが、「テレビジョッキー」でG食った人は、やはり病気になったので止めて、今は平穏に暮らし、結婚もしているとのこと(取材不可だそうだ)。
 しかし、目の前にそういう人がいたら普通引くよな。俺は引かないけど。
 「Gで人の気を引く」って少なくとも、友の気は引けないと思うが、結局そんなことにアイデンティティを見出してしまうのは、今の教育のひずみなんじゃないかなぁ。割と見た目には弱弱しいし。
 その後も、味の話など、細かい話が続いた。
 本人も病気の危険をよくわかってるのか、内臓は取ってから喰うそうだが、ある意味自傷行為と同じ印象を受けた。少し壊れた彼が、これからちゃんと結婚できるのかどうか非常に心配だ。「お前、物を作る側に回らないほうがいいんじゃないの?」とかいう話をみんなにされていた。俺は回ってもいいと思ったが、(そんな趣味を言えば)作家が引くだろうし、マニアなメディアにしても、受け入れられる数かというとかなり怪しい。たしかに大衆性の要求されるものは作れないかもしれないな。
 本人も精神的な弱さでこうなっていることは自覚しているらしく、鍛えており、がんばって精神を強くする努力をしているという。
 いやまさかこんな近くにそんな人がいるとは。

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